サービスが最初からうまくいくことはないという大前提

管理人の大橋です。

クラシルというレシピ動画サービスを立ち上げた際にやったという以下の話が興味深いです。youtube音声×簡易スライド付きです。

全体で8分39秒ですが、簡単にいうと、私の解釈込みですが、

  • 開発の改善サイクルを限りなく小さくする
  • そのために開発をいきなりやらなくてもいい
  • クラシルはレシピ動画を上げてSNSにアップして手応えを得て改善を相当程度繰り返した
  • アプリ化は「勝ち確」状態でリリースに成功
  • サービス自体がうまくいかない、だれもユーザーがいないということを大大前提にしてまず使ってもらってなんぼ。
  • 大きなサイクル(1改善が1週間かかる)よりも、小さなサイクル(1日で改善が7回できる)であれば、大きなサイクルで7週間かかることが小さなサイクルでは1日で終わってしまう

というところです。

小さなサイクルは何かを見つけること

サイクルを早く回すというのはPDCAサイクルをという話でよく聞きがちです。ですが、本質的には「大きなサイクル」でなく、「小さなサイクル」ということがポイントでしょう。

小さなサイクルで回るそのサイクル自体を見つけること、それも一つのWebサービスのアイデアではないかと感じました。

クラシルではその最小限のサイクルというものが「SNS」に「レシピ動画」をアップして「ユーザーの反応」を得て、「改善」して、次のレシピ動画に活かしてまた「SNS」にあげてを繰り返したというだけです。

これが自社、または自身のサービスにおいて何か。もちろん開発やアプリをつくることを否定しているのではありません。作ったところで使ってもらう人がいなければ悲しみと自己否定感を感じてしまい、下手すればもう開発なんてしないということに(笑)

そうならないために、「自分が作ったサービスは誰かに使われるでしょう」というよりも、「だれも使われないかもしれない」から、まずは「こんなことやって検証できないだろうか」という癖があると良さそうです。

本サービスも同様にニーズあるのかな?からスタートした

そういえば、比較するにはおこがましいですが、本Webサービス集めましたでも似たことは言えます。

最初に立ち上げる時に適当にやったのではなく、

  • 競合・類似サービスがあることを確認(ニーズがあるっぽい)
  • 同時に継続が難しいことを確認。例えば、モチベの維持や収益化などが難しそう。メンテンナスが出来ず終わってしまう。
  • それらを踏まえつつ、最初はサイトを作る前に、違うプラットフォームサービスでテストをして1ヶ月くらいやりました。
  • その結果「意外に」反応がよく、これならわりといけるのではないかと考えドメインを取って簡単な機能のみでリリースしました。
  • 本質的にはその機能とは投稿できるだけです。あとは使っていって治していけばいいという感覚でした

実際には投稿が集まるのはニーズがあるからですが、SEO的な成功があったりで助けられたり、投稿ユーザーさんとコミュニケーションをしたり面白い出会いもありました。そういうものがモチベーションになっています。

他にも、私自身がWebサービスに興味があること、自身の体験から作ったこと、開発者や運営側に対して何かしらできないかという想いがあったことなどが重なっています。これらは1つだけよりも重なったり、複数あるほうが「飽きづらい」という感覚です。例えば、本サービス自体を私はドッグフーディング(自分で使う)ことをしていますが、実際にサービス自体どんなものであれ目を通しています。それは自分の目利きやサービスを知る欲を満たしてくれています。

Webサービスに限らず、もっと抽象的にいえば個人や小さな立場への支援というコンセプトです。最もそれは押し付けるものでなく、うまく宣伝サービスとして使えるところを使ってもらえればいいと考えています。

サービスを通してコミュニケーションする

非常に興味深いのですが、コミュニケーションをしたい、色々な人と出会いたいからWebサービスをつくる人はそこまでいないと思います。SNSとか掲示板とかありますけど、すでにあったりしますから。

ユーザーを無視して俺のやり方について来い、はものすごく魅力的で今までなかったり、利便性がすごいとかならありえます。天才型とか独創型というものですかね。

ただそれはかなり確率的に低いです。ビジネスアイデアの話ですが、自分が考えたアイデアは誰かがすでに考えていますから。自分のアイデアや考えたWebサービスってすでにあったりします。もちろんだから駄目なのでなく、「ある」ということを踏まえて、がむしゃらに作るよりも、「ある」から何が言えるかを考え抜くこと。

自分のサービスは何を解決したいか、コンセプトはなにか、どういうユーザーに使って何をしてもらいたいか、どういう世界観があるのか、なんとなく使ってくれたら満足なのか、ユーザーは戸惑ってないかどうか。書いていて自分に全て返ってくる(笑)気がしつつも、そういうことを考えて、改善も含め、Webサービスを含めてユーザーとコミュニケーションする。

そういう意味で、Webサービス自体の開発や運営全てが、サービスを通したコミュニケーションだなと私は考えています。うまく伝わることもあるし、誤解やネガティブなことを受けることもあるでしょう。それも含めて伝えていくのが醍醐味だなと感じました。

編集者 大橋 弘宜