先輩エンジニアマッチングサービスの失敗談から学ぶ

マッチングサービスの失敗談から学びましょう。

今回は、カレーパフォーマー加藤さんから学びます。

Qiitaの記事に、WordPressでマッチングサービスを3日で作ってリリースした話が濃厚な振り返りとなっていて面白いです。これを見ながら、Webサービスのコツを考えてみます。

メインは振り返りの第4章

先輩エンジニアサーチというサービスをリリースしたものの9ヶ月でユーザーが獲得出来なかったという話です。

先輩エンジニアサーチとは、簡単にいえばエンジニアマッチングサービスで転職サービスのもっとリファラルよりというものだと想像出来ます。

振り返りとして、いくつかのポイントがありますが、

  • ビジネスセンスがなかった
  • 事前調査が足りてない
  • 集客が足りてない
  • ユーザー登録の仕組みが弱い
  • 運営の仕組みが足りてない

の5つが失敗のポイントというか、学びどころだと考えられます。

それぞれから考えられることを述べてみます。

ビジネスセンスを小さな範囲で学んでいく

エンジニアである著者はあくまで、エンジニアの仕事ではビジネスを生み出す力は鍛えられてないといいます。著者的には小さな範囲でビジネスの流れを全部経験するためにココナラにてスパイスレシピを教えるというサービスをやられているようです。

この話を聞いて多くのプログラマであったり、サービスを作る人は同様に感じるのかなと思います。つまり、本業というかプログラマという仕事でビジネスセンスが鍛えられないという問題です。

僕自身はビジネスセンスは「センス」というのもゼロではないですが、それはトレーニングや教育で十分身につくと考えています。一方で普段の仕事や生活でそれらがなければやはりゼロです。

ココナラ自体を小さいビジネスだから軽く見たり低単価だからといってやらないのも「選択肢」としてはありです。ただこれらは結果的に使い方であって、どう使うかだけだと考えます。ココナラで一生やるとか話ではなく、何を学んで使うか。例えばある本をなんのために読むのかと同様です。技術書とかもそうでしょう。

ビジネスセンスを磨かなければらないというストイックな話ではないですが、ビジネスの仕組みや構築、またはビジネスってどうすればお客さんにサービスを提供してお金をもらえるまでいくのか。これを一回でも経験しているかどうかで見える景色は違うと僕も同様に思いました。

ココナラは一つの選択肢ですが、他にもBASEだろうが、ブログだろうが、Twitterだろうが自分の工夫で出来ないか。著者が言っている「小さな範囲」で学ぶのはめちゃくちゃ大事です。

よくありがちなのは、ビジネスの作り方といって、ビジネススクールにいかなきゃか、新規事業担当にならなきゃとか、そういう既存の仕組みにはまるパターンです。全く無駄であるとは言わないですが、「ビジネスを作りたい」場合は実は小さな範囲で試す方が最も効果的な気がします。そこで不十分とか足りないからこそ何かを学ぶ。そのうえでスクールなどがあるのかなと思います。

そういう意味で、Webサービスというと開発して終わり、運営は気合みたいなところも個人ではあるかもしれませんが、マネタイズやビジネスの仕組みとして、ビジネスとして考えるならこれらの「ビジネス」の学びが必須です。

多くの人はここをやりたくなかったり、あまり自分でそこまでモチベーションが湧かないのかと僕は考えています。それは得意不得意とか興味の問題であって、そういう時は誰かと組んだり、何か形に出来る仕組みを検討していくしかないんですね。ただこれを「僕はビジネスはできないので開発しかしません。誰か手を貸して」というのを大体的にいうのかどうかは別問題です。そもそもそういう人に手を貸す人は皆無で、知っている人や信頼があったり、何かないとまず無理でしょう。

また、マッチングサービスについては著者の強みを活かせないビジネスということも書かれています。おそらくこれは、自身が手がけるカレー領域で出来ていることのような有機的なつながりや仕組みが生きなかったという意味です。これを著者は「自分が前に出て届ける仕事」といっていますが、マッチングサービスは「黒子となり運営していく」という比較をしています。なるほどですね。

リサーチやヒアリングを手抜かずやろう

事前調査の話では、なんとなく作ってしまったというところから、ベータ版からフィードバックを得てどうかというところを手抜いてしまったとあります。

非常に分かるのですが、類似サービスを調べてあれば「勝ちづらく」なるので、それをあえて見ないのもありなんですよね。ただ、それは結果的に「リサーチ不足」というのもよくあるパターンです。

リサーチ不足についてはWebサービスに限らず、最近僕が話をしたケースでも同様で、結果的にリサーチをしたくないことで、リサーチを手抜くのでうまくいかずに自分に返ってくる、やる気がなくなる、クローズするということになるのかなと感じます。

なぜリサーチをしないのかと言われても、ぶっちゃけリサーチをするならサービスに時間をかけたいなんて答えが出てくるはずです。かっこいい台詞ですが、実際にそれがリサーチをしたくない言い訳であれば要注意です。本当に開発をしたいからというならありかもしれません。

ただビジネスを考えるというところでは手抜けない話です。なぜリサーチするかというと、簡単でして「既存にあればそれを調べれば注意点が分かる」ので楽なんですね。リサーチすると楽になるんです。

他にも言えるのは「そもそもないからいける」のではなく、同じように考えた人がたくさんいるけど皆失敗してうまくいってないという屍累々パターンです。つまりうまくいかないところかもしれないということが分かるんですね。実際にはリサーチしてそれがすぐ分かるかは別問題です。

ただリサーチで分かるかどうかはおいておいて、少なくとも得るものが多いことを手抜くのは、単なる手抜きでしかないと言えます。

このあたりのニュアンスはとても良くわかります。なんとなくですが、作る側とそれを客観的に見てどうかというのは分けないと無理なんじゃないか。または仮に出来る人を想定すると、1つのプロダクトやサービスを丁寧にやりこんでいくくらいしか、または複数を丁寧に作って売ったり何かしらやり方や仕組みを作っている、しか出来ない気がします。

おそらくここに書いてもリサーチせず作る人は多いはずで、この瞬間にどんどん出来ているはずです。僕自身も偉そうに言える立場ではないのは承知しつつも、リサーチのハードルを下げる意味でGoogleで思いついたサービスを調べるだけ、といってみます。これが出来るかどうかでそもそもやる気があるか、リサーチする気があるかが分かりますよね。

と、リサーチ自体は実は一回自分で何も調べずにやってみて失敗してみたほうが意義が最も分かるもしれないなとか思いつつ(笑)もちろん失敗も致命傷でないもので小さくやってみると良いかと思います。

ニーズややりたいことの間をフラットに狙う

これらはわりとサービスに関する専門性とか強みとかになります。実際にぐるぐる回せるには、見えない仕組みがあるというか、運営者や開発者の強みがいい感じで呼吸レベルで個人であればですが、生きているのが大事です。そうでないとわざわざ感ができてまず出来ないからですね。

これも何度も感じていますが、なかなか呼吸レベルのところで自分ありきでいくのは難しいんですね。なぜならそういう自分ありきはニーズが無いことが多く、または実際にニーズがないんですね(笑)

ではニーズありきでいくと、なんか面白くないとなる。ここでこの2つから考えると作るのも意味ないんじゃないかとなるし、ニーズに「迎合」するのもやだとなって矛盾になるんですね。

妥協案ではないですが、自分の呼吸感を試しつつどこまでやれるか、またはできないかを見極める意味で試すくらいがいいのかなと思います。多くはそこまでのことが出来ないし、結構明らめる人が多いのが実際だと思っています。ポイントは骨太でストイックだから成功するというよりも、実際に呼吸を丁寧にしていってだれない仕組みやうまくいくというよりも、ちゃんと呼吸が出来る仕組みがあるから、やり続けられる。

やり続けられるから打席に立てることで、チャンスが得られるって感じが一番しっくり来ます。

その一部である、ストイックさとか、運営のコミュニケーションとか、技術スキルとか、強みとか、最初うまくいったとかを取り上げても木を見て森を見ずかなという感じですね。

失敗は全て成長へのフィードバック

僕の好きな言葉でやや自己啓発的ですがそのとおりだなと感じます。

自分でやってみた経験が失敗だった!と思えば振り返り次はどうすればいいのか、またはどうすればよかったか。

加藤さんがとても誠実な感じがしたのは、振り返りの下りにある、

何故 “僕” が転職支援ビジネスを、”今” やるのか。この問いに対する答えを、僕は未だに出せずにいます。

WordPressでマッチングサービスを3日で作ってリリースした話より引用

と書かれているところでした。振り返り全体からも、自身の強みとずれていたり、実際に出来てないとか、サービスとして不十分な面とか色々挙げられているわけですが、ここが最もポイントだなと感じました。

つまり、僕であればWebサービス集めましたというこのサービスをやっているのですが、やる理由が明確にあります。何度も書いていますが、既存や類似サービスはあれど、自身で一次情報としてサービスリリースの入口となってみてみたいということ。接するということですね。

同様に個人開発者、零細サービスにおけるマーケティングは本業的にも学びが多く、専門性がなければ、スタートアップも個人サービスも大手サービスも実は分からないのではないかとすら思います。ちょっと言い過ぎですが(笑)とはいえ、そういう違いを言えるには、自身が触れてないといえないなというのも大いにあります。

マネタイズは出来てないですが、2016年から開始して3年くらいになります。僕の中で早く覚めるものは、一週間から1ヶ月とか、次に3ヶ月とか半年、がんばっても1年とかみたいな飽きるフェーズや目安があります。これらは分析が難しいですが飽きても何か違う刺激や学びや気付きがあれば次にいけるんですね。むしろ改良できるというか。良い意味でのツールというか学びの場ですよね。

たまたまというのが正確で、自分にとってはそれがうまく出来たのかなと言えます。もちろんマネタイズ的なことももっと出来たらと思っていたのですがそれについては課題で当初企画的にも難しいかもというところで現状は、やはり個人特化型でエッジが効いたものだったり、コミュニケーションを運営的に強みとしてもっていく。他には今書いている記事用な個人開発Webマーケティングみたいなところですかね。Webだけではないですが、マーケティング的な視点ってかなり限られるのを運営していて思ったりしますから。

そして加藤さんも、最後にサービスはうまくいかなったけど、全くへこんでないということが書かれています。多分なのですが、ここでへこもうがどうなろうが、次やりたいかどうかが大事なんだろうと感じます。

もし興味レベルが低ければ次はもうやらないんですね。僕のやっていることも手応えが当初より薄いからやらないとか、うまく刺さってないからやらないとかっていくらでも辞める理由は設定できました(笑)でも、それはないなあと。それ以上に面白いとか、刺激になる部分があるから、あとはそれをごまかさずに丁寧に振り返りをして、自身が良い感じで学びも得つつ、呼吸しつつ、コンテンツや運営していくことで価値を提供できるかどうか。出来たかどうかというところですね。

気になったかたは読み応えがある記事をぜひよんでみてくださいね。

Webサービスの開発、運営の失敗談を募集しています

Webサービスを開発したり運用したりで失敗したけどこうすればよかったとか、学びや気付きの記事を募集しています。

寄稿という形でもいいですし、ブログやサイトで公開しているのでそれを紹介して欲しいなどでももちろん構いません。

これらの振り返りの価値はとても高いと思っています。丁寧に扱えれば何よりです。

またこういった切り口や学びの視点はないかというリクエストも受け付けています。うまく答えられるか分かりませんが、あればお問い合わせからどうぞ。

編集者 大橋 弘宜