個人開発においてアイデアありきや、自分が作りたいありきで作ったものが使われなくてそのまま終わる。これはよくありがちな話だと思います。ちなみにこれは知的財産とかの発明とかの特許であったり、自分が良いと思ったけど全く採用されないアイデア等色々あります(笑)
僕のスタンスとしても、ほげにしさんが書かれているこちらの記事をベースに、あとはどう工夫するかだけかなというのがスタンスにあります。
作ったWebサービスが誰からも使われなくてさみしい問題を解決する(しない)意識低い方法論
高みを目指したり、やれるならやりきる!みたいな意識を高めに持っていくと息切れがするとかそういう人には向いているスタンスだと思います。
面白い記事なのでぜひ読んでみてください。
失敗するパターン
記事にある通りですが、あえて付け加えるなら、開発するときのテンションと、それを作った後のテンションが明らかに異なるというのもありそうです。突然の死とは、おそらく意識せずにということか、突発的なという意味なんですが、そもそも最初は誰も「潰す」つもりでやってないんですよね(笑)
でも、作ったものがうまくいかないからゴテゴテまたはやりたくない、やらない、まあいいかとなっていく。そういう心理は急に生まれず徐々になっていくのかなと思います。急にってのも稀にありそうですが。
そして非常に鋭いというかそのとおりなのですが、
そしてどんなにテンション高くはじめても、モチベーションはいつか絶対に落ちます(断言)。 波があるのは当然なので、モチベーションが下がってもサービスが死なない設計・運用にしたい。
https://blog.notsobad.jp/entry/2018/07/30/110000より
なぜか人は自分なら大丈夫とか、今こんな「好き」なんだから「やりたい」のだから、冷めることはないって考えがちです。非常にわかります(笑)
でも、実際は冷めます。僕自身は個人開発というよりも、自分が興味を持つことに対して同様に考えたことがあります。つまり「自分は面白いと思った」が、「これが続くとかは別問題」と考えるということです。客観的にいえば冷めてますが、一方で冷静ともいえます。実際に「これがないと俺は駄目だ!」なんて思っても、「実はそれがなくても成立するし、気に留めてもない。単に目の前にあっただけ」パターンは多いです。
コツとしては、自分の興味を特殊として語らず、とはいえ好きならやってもいいじゃんという、短期的と長期的なメリットをうまくいれていくことですよね。
それにしても絶対にモチベーションが落ちるという前提の思想はめっちゃ好きですね。そのとおりだからです。
ほげにしさんが提案する方法論
著者は具体的な方法論も展開しています。非常に興味深く何度も読み返してみました。その概要としては3つです。
1つは、ノーコンテンツ問題を回避するツール型サービスという方向です。
誰も投稿しないからコンテンツがないノーコンテンツ問題を回避する意味で、ツール型サービスを提案しています。著者の代表的なTHE TOURNAMENTはまさにツール型です。
一方でコンテンツがないためSEO的なものが引っかからないので検索流入が弱いという点がデメリットですね。そりゃなんでもうまくいく方法はないですから。
2つ目は、できるだけ何もつくらないということです。機能やプログラムの分だけ、バージョンアップや問題に対して対応する量が増えるからです。
事例としてブンゴウメールを挙げられています。シンプルなサービスですが実際にコードもシンプルなんですね。
3つ目は、赤字にしないということです。だからこそ独自ドメインをわざわざ取らずに出来ないかという視点でやるということですね。
最後に、端的な指摘が面白いです。
とはいえスクラップ&ビルドの繰り返しだと「バズか死か」に逆戻りなので、「ビルド&ゾンビ」で長寿サービスをいくつも作って、じっくり芽が出るように育てるといいんじゃないですかね。
https://blog.notsobad.jp/entry/2018/07/30/110000 より
実際にバズか死かという二択は筋が悪いということで、それを避けるのが今回の意識低めの方法論でした。一方でこの様に作ったもの、例えばツール系でシンプルで赤字にならないものは、勢いがあるかというと微妙かもしれない問題になります。
ただそこで「ビルド&ゾンビ」として、ゾンビ化したサービスで死んでない状態を維持しつつ、その間にビルドしていく。死んでないのが大事だなという話ですね。もちろん、ゾンビ=死と考える人にはなかなか出来ない思考かもしれませんが(笑)
企画やアイデアにおいても、昔あったものが再度流行るのと同様、また明らかに駄目だったものがうまくいくこともあります。タイミングというのも企画としては大事な話なので、ゾンビというのが悪いというよりも、アイデアの保持またはコミュニケーションチャネルを閉じてない、実験をし続けているという考え方でいいのかなとも思いました。
本サービスに投稿されるものは死なないサービス構築になっているか?
翻って本サービスに投稿されるものはどうかというところが少し気になりました。
全部観るのはちょっとということで、直近ランキングなどを見ていきましょう。
直近ランキングにあるアクセス数トップのサービスについていえば、ジャンルを言えば、画像作成、チャット、学習、掲示板、掲示板、文章、エンタメ、掲示板、投票、事務・・・となっています。
ここでツール系というのは、投稿コンテンツがなくても成立するというものですから、非常にざっくりいえば、掲示板などはコミュニケーションとしてユーザー投稿やユーザー登録がなければ成立しづらいと言えそうです。これはツール系ではないと。
一方、他のサービスはツール系と言えます。画像作成したり、チャットは相手が必須ですがコンテンツは不要です。学習サービスもSNS連携など付加機能としてあるわけでメインは関係ありません。
つまり、ツール系サービスが7で、非ツール系が3という結果となり、なんと7割がツール系となっています。
ツール系サービスの運用自体はわかりませんが、シンプルな機能なものは受けなければそれで「死」と考えるかもしれません。ただ自分が使うことと、ゾンビとなっても使うのでモチベがわいた時に使うなどでやはり「死なない」んですね。あとは赤字になってなければわりといけるぞと。
ところでここでふと思ったのはツール系サービスというのは、Webサービスのことを指しますが、そもそもアプリやフリーソフトはツールが多かったというか、便利だったりこんなものあったらいいなというのはユーティリティというか、便利なソフトだった気がします。かゆいところに手が届くというか。
そう考えると、利用者というかPCやスマホを使う人が多様化、つまり色々な人が色々なニーズで使うことから、ごく少数のニーズであっても拾うか、対応することって出来るのではないかとも言えます(もちろんこれらの少数の人が検索してヒットしなければ駄目なんですが)。
また、ランキングにあがっているツールがお世辞にも他に絶対ない機能とかサービス化というとそうでもないと思っています。ただ何かしらサービスが分かりやすい、シンプルである、死んでないというところで今後伸びていくか、安定的な成長か、既にサービス開発の初期の狙いは終えたというのかもしれません。
冷静に考えると他にない機能とか、他にない体験とかって大事です。ただオリジナルや他にないものって考えだすとまあ「ない」のかなと思います。つまり、唯一性にこだわらず、誰かどっかで見たことあるかもしれないけど、自分はこういうのがいいとか、こんなものが欲しかったというところで着地しそうです。
冒頭に書いたように「自分が欲しいから作ったけど死んだ」とならないためには、最初はそれで作るけど、やはり死なない方法論として死なないようにして、どうにか成立させるか、成長させるか、死なないようにして他でビルドするとかってことになります。
ツール系サービスの魅力
他に気づいた点として、ツール系の魅力というかメリットですが、マーケティング的にツールの利用有無でピンポイントでヒアリングをしたのと同様の成果が得られます。ちょっと言い過ぎですが、例えば画面のスクリーンショットをいい感じに整形できるツールがあるとします。詳細はスルーしてください。
この場合、このツールを使う人が一人でもいればN=1的な視点でとんがったものを作ったり出来るかもしれません。ヒアリングをその人にすることはできなくても、利用についてどう考えられるかという点でネタにもなります。自分が想定してなかったなら尚更インパクトになります。
正規表現などをわかりやすく書いたサイトはありますが、これらをツールで表現しているのは少ないかもしれません。見かけたことはありますが、こういうのは沢山あってもおかしくなくてよりよいものとかを作ればいいのかなと。例えば正規表現に特化した学習サイトとか。正規表現が分からないという人が多ければ多いほど成立しやすくなるのかなと。ここでユーザー投稿型にしてはいけません(笑)我慢してください。
良くも悪くも小ぶりな仕立てになります。それをシンプルというのかどうかという見方の話にもなりそうです。そういう小さいニーズを積み重ねるか、そのニーズを徹底的に見ていくことで新しいニーズを見つけたり、アイデアをひらめく気もします。正規表現がいけるなら他もいけるのではないかとか、何で人は学習につまづくのだろうかとか。
逆引き辞典などもありますよね。こんな問題を解決したいという課題から検索出来るというものです。おそらく本サービスはカテゴリなどのサービス分類でなく、こういった何を解決したいかから入ったほうがツール系サービスとは相性が良さそうです。全く違う使い方をする人がいることもありますが、少なくとも投票ツールは投票することを簡単にするなどのために使われますからね。
最も投稿する人がどこまでサービスを検証しているかとか、深堀りしているか分からないのでその点はふわっとしていますが、管理者目線でがしがし分類していってどうかというのも面白いかもしれませんね。

「Webサービス集めました」のひとり企画兼編集兼運営者。他、ビジネスアイデアメディア「シゴクリ」運営者でもある。アイデアをこよなく愛し、そのアイデアが形にするかを検討し続ける、ゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア提案、アイデアの壁打ち、起業相談等の実績多数あり。Webサービスという新たなアイデアが詰まったものに触れられるのが好きでそんな人や会社を応援したくて本サービスをやっています。