個人開発者を支援するというコンセプトを再確認した

APPPLAのぽこひでさんが振り返り記事を書いていたのを見つけました。

個人開発のサービスを運用して半年経ったので数字を全て公開します [前編]

個人開発のサービスを運用して半年経ったので数字を全て公開します [後編]

Crieitのだらさんも貴重な振り返りをされていましたがこういったデータが公開されて実際どんなものかというのが分かるのは大変ありがたいですね。勉強させていただきます!

以下振り返りを起点に当サービスの振り返りなのか、自分語りが多くなりましたが色々見えて学べたということであざーした!

APPPLAの振り返りから分かること

感想みたいなものになりますが、ハイブリッドな体制で運営されているのが面白いなあと。そういう工夫は素晴らしいですね。

またアクセス数等も結構見に来ている人が多いと意外にも(失礼!)感じました。どうしてもServiceSafariが先行してあるので2つチェックする人がどれくらいいるのかなという印象があったところです。

Twitter運用等もやられているのはいいなと。僕の場合は、リソース的にサービスを入れてやるということも考えたことがないところなので参考になります。

アクセス的にAdsenseで費用を回収する(人件費を除く)ことは出来ていくイメージなのが素晴らしいですね。あとはゾンビ&ヒットではないですが、死なないサービスが出来ることがいいなあと。

後編では、リリースしたあとに知ってもらう取り組みとして何をしたかが具体的に書かれていてこれからやられる人には参考になりそうです。

当サービスのフィードバック

APPPLAはスタートアップ等サービスが中心の印象ですが、一方で当サービスはどうだろうかというところです。

個人開発はスタートアップではないというのは乱暴ですが、学び目的だと個人の枠組みを突破できないことが多いです。ただなんでもやっていくうちに見えてくることがあるため、あるやり方だと絶対駄目とかはないものの、既存に出ているパターンから確率的なものは参考になるかもしれないですよね。

少し考えたのは、僕自身がインディーというか個人で名もなき人(自分も含めてですよ!)を応援するって自己犠牲みたいな意味とか本当なくて、やっていきたいと考えていることです。

それって言葉では言えちゃうんで、行動で示すしかないなと。なんでも行動でしょというのは嫌いなんですけど、とはいえ行動で示さないと伝わらないことは普通かなと。少なくとも口だけが悪いわけでもないのですが、行動を見るのは大事ですよね。

例えば、Webサービス集めましたは試行錯誤をしつつ、結果的にもうすぐ3年経ちます。この3年って結構あっという間でした。自分を試す意味でもこういった非プログラマでプランナー・マーケターよりの人がどこまでやれるもんかいなというところでやってきた成果です。その影響力はほぼ皆無ですが、そこは評価ポイントでなく、上で書いたように「応援するよ」っていうのが口だけでなく「応援し続けるよ」という継続姿勢に変わったといっても怒られないでしょう。

実際に自分の中でも習慣化されてきている中であとは行動レベルややり方をどう変えていくかだけなんですよね。モチベーション的な話でいえば、ゾンビ&ヒットというところで、死なないものが出来たのであとはよしなに状態です。APPPLAさんを引き合いに出すわけではないですが、広告代で人件費!を除く部分で回収できてるので、ポートフォリオ的には「金のなる木」なんですよね(笑)その金のなる金額がしょぼいものの、そこも評価ポイントでなく、「金のなる木」状態を作れたのが大きいといっていいわけですね。

インディーや個人開発といっても幅が広いです。ゲーム開発でもアプリがやはり多いとか、PCゲーのインディーはあまりなさそうとか。Webサービスに絞り込んでますが、深い意味はなくて自分が最も見やすくてかつ追ってて面白いというところです。ただ原体験としてやはり1995年あたりからのナローバンドな時代でフリーソフトを作ったりみたいなそういう個人で何かやるというのが猛烈に好きだったのかなと。実際に作っていて雑誌掲載とかってめちゃくちゃ嬉しかったし。当時は高校生ですからね。

社会への解像度みたいな話になっていく感じです。自分の好きなことややれることで社会へアクセスしてそこで「こうだよね、ああだよね、いいよね」とかフィードバックがもらえる。そこで「社会って色々あるよな」という認知が出来ていく。そういう原体験があったのかなと最近気づいたところです。

そうであれば、今まで色々試行錯誤した中でズレていた点が明確になってきます。

コンセプトは利用者目線でなく開発者目線

サラリーマンプログラマでかつ、趣味とかで土日に開発する人ってレアということに勤めてから気づきました。当時の同期の人数からして、1割もいないというか、5%くらいじゃないかってイメージです。つまり100人いて5人くらいな印象です。例えば仕事でパソコン触るけど家では触らないみたいなのが、全く理解できなかったという感じです(笑)

自分も若かったと思いますが、一方で逆にいえばそれは自分が相当好きなのではないか。というかあまりそこを好きですといってないだけパターンだなとも言えますよね。

翻って当サービスは、一般利用者が、ここでのペルソナイメージは、ITが強いわけではない、とはいえ弱いわけではないというふわっとしたイメージなんですけど、やはりそういう人はまず見ないんですよね。巡り会えない。なぜならキーワード検索で踏ん張ってやっとたどり着けるし、そのワーディングも「Webサービス」とかが肝ですから。このワードって開発者しかほぼ入れないし、IT詳しくないと入れないですよね。あと、これってインターネットにあるSaas的な法人向けサービスとかも入るわけで、ズレてしまうってのもあります。

そこを規模が小さいというか弱小なサービスがカバーするという思想が社会をなめていたといってもいいわけです(笑)そんなリソースないのに「一般利用者」とかいうなと。そもそも来る人が一般ではないよねというある種の良い意味でですよ、ラベリングが大事だなと。仮に一般利用者が来ても来る者は拒まずというところでオッケーなはずです。

つまり、開発者、しかも個人開発の人をターゲットにすべきでした。過去形ですがこれは今後より特化させていけばよいわけです。なぜそうしなかったかというと、企画的な意地というか、プランナーとしてそれをやると「明らかに個人開発の人のたまり場」みたいになってワークしないのでは?つまり、橋渡し的な立ち位置が自分のバリューだと思っているんですが、そこがないのはどうなのよっていう話です。

これはある種正しいはずです。ただ間違っているのは、そうすることで何もとんがれないものになって終わるというところですね。例えばEggineerさんなんかはプログラミング学習者に作品公開の場というところで、開発者で経験や学習が浅くてもチャレンジしていってねというところなんですよ。これは分かりやすい。

じゃあ僕がやるとどうなるかというと、作品公開するのはいいものの、そっからコミュニケーションって結構難しいと思っています。つまり公開するとかそういう機会よりも、ワンチャンで宣伝というかそっから広める支援のほうがいいかなというところです。ただこれって個人開発者がどのレベルかというよりも、それ作ってどうしたいか。学びたいのか、なんとなくなのか、趣味でなのか、ビジネスっぽいことしたいのか、マネタイズしたいのか、プロジェクトとしてやったり、チーム作りたいのか、転職ポートフォリオにしたいのか。つまり戦略が問われる気がしています。

そうであれば、その戦略を支援したいし、または一緒に考えたいなと。

個人開発者を支援するメニュー

つまり、個人開発者に宣伝をしてもらうと。そこでコミュニケーションをしつつ、そっから何か出来ることはないかというところです。

そのメニューっぽいのが、戦略もありですが、

  • リサーチ。例えばレベルによるがそのサービスに類似や競合があればそれを提供。または似ていても違う点やまたはコンセプトベースで参考になる情報を提供。とくに個人開発はマーケティングとしてリサーチ部分が弱くなりがちで(開発したいのと開発しないと何も起きないからそっちが優先になるためですよね)そこを補完できないだろうかという話です。
  • フィードバック。今までもたくさんではないものの、Webサービスに対してこうしたらいいのではないかというジャストアイデアから、こんなのあったから変えてみるといいかもというアイデア提供などをしてきました。とくに有意義と思われるのは、ユーザー目線でのフィードバックであり、使ってみてどうかを述べるというところです。トラクションである最初のユーザーがつく、またはとくに利用者でなくフィードバックをくれるユーザーがつくと百人力なわけですがそれがわりと初期に体験できることで、モチベーションは少なくとも10倍くらいはあがるんだと考えています。こういうサービスも今まで見かけたんですがワークしてない印象です。フィードバッカーのコストが高くて、それに対して金銭的報酬が払えないというのでビジネスはむずいんですよね。そこはとても分かるので、それこそ「金銭」にこだわらないほうが筋がいいのかなと思っています。極端にいえば、個人開発者からはお金をとらないが、ビジネス的なスタートアップまたは大手企業または新規サービス開発というところでしれっと知見として入れていくところでお金を取るほうがスマートな気がします。さらにいえば、そういうところでもっと仕掛けたい人をつなげるメリットにもなるし、ポジションがより尖ってくるわけですね。
  • インタビューや文章、物語。これは分かりづらいかもですが、コミュニケーションってことです。個人開発者のことを知りたいというか、多分実際にマネタイズやビジネスに向いていくと、スモールビジネス開発をしたい人って相当いると思ってるんです。ただスタートアップ的な思考やビジネス的な思考がどうも嫌というか、苦手な人が多いという印象です。これも橋渡しですね。こういう時に、スーツの人みたいな(笑)偏見もありがちで、一方で尖って開発部隊だけでいくぜみたいなのもありかと。ただ結果的にコミュニケーションがないところで信頼はないので、やはり上で書いたような「支援したいんです」が「支援し続けるよ」というところで、さらに「ここなら大丈夫だ」「あなたなら悪いことはしない」と信頼いただけないと話が進まないなというところです。これ何でもそうですけどね。自分の武器として、書くことで、伝えていくことは一生ものなのでそこは全然つかえるので使っていければというところです。

端的にいえば、リサーチか、フィードバックか、文章かって感じですよね。それを個人開発者に提供したいと。もちろん話をしていいよねとか、ぜひぜひというか、いい形になった場合のみです。これ自体で現状お金を取れるとは考えていません。なぜなら個人開発者は僕もですが資金に余裕があるわわけでないからです。余裕がある人は旅したり、何か違うことをしています(笑)

エコシステムを作り仕組みで回す

じゃあお金がない人をボランタリーで助けて英雄気取りか(笑)みたいなそんなこと言う人はまずいないんですが、いるとしても、それはないなあと。そこをやることで、当サービスのトンガリ具合も磨けるのと、実際にエコシステムというのを想定しています。つまり、スタートアップ起業家が投資家から資金調達をしてその後売ったり上場したりでそしてその起業家が次の起業家に投資をしてみたいな循環があると思うんです。それと同様のことを個人開発でやるには潤沢なお金ってことになりがちですが、僕が出来ることはそこではないので、そういう仕組を開拓しつつ、つなげていく、橋渡しをしていく、そういうプレイヤー、チャレンジャーを束ねていくことではないかと考えました。

もっといえば、僕自身が個人開発で成功する確率は相当低いはずです。確率という意味では失敗数や打席にたった数とモチベーション維持できる燃料など要因は色々ですが、もっとすごい人はたくさんいるわけですからね。僕が一発当てれるとは正直そこまで思ったことはないんです。むしろ、自分でやるよりも、人にアイデアを出すから作ってもらってそこからあとはマーケティングなりするからやっていくよというほうが多分確率はあがるってくらいの比較でです。どちらも絶対的には低い確率ですが、0.5%よりも、1%のほうがやっぱいいじゃないですかみたいな話です(笑)

エコシステムとして、そういうぐるぐるぐるぐる回るものを作っていくことで、あるサービスが成功するのはもちろんですが、なんというか社会的にも人が減り、経済的にも減少していく流れであれば、あまりライバルがーみたいな話でなく目線を上にあげて、より広くいくほうが勝率は高くなるかなと。勝つというのは、自分にもですが、プロジェクトとしてやるにはやっぱ勝っていくのがいいわけですよね。

そういうコミュニティを作るというか、橋渡しをしていくことで自分のバリューをもっと出せるのもあります。端的にいえば、成功するサービスを作っていくことになるわけですが、いや個人開発で成功って言われてもみたいな話とか、色々折り合いがあるのかなと。バランスというか。

でも、そこって単なる特異な例なのか、やり方があるのか、または全く運なのか。結構わからないです。少なくともビジネス的にいえば、サービスがあって顧客がいてそこにお金を得られる仕組みがあって、あとはチームなり教育できる仕掛けがあれば個人や小規模チームでも全然いけるはずです。むしろ、よりやりやすくなっていると感じてます。であれば、多分チャレンジする人の数が足りないか、チャレンジャーの打席数が足りないかとなるのですが、チャレンジャーやその予備軍のみに期待するのも筋が悪くてむしろ教育的な意味で「環境としてケアする、サポートする人がいないから」潰れたり嫌になったりというだけではないかと。それをセルフで全部やるのは辛いなあと。

関係なくないですが、僕も何かプロジェクトをやる時って一人でというよりも誰かを巻き込みます。モチベーションが一人だとしんどいので続かないんですよね。一人でやると自由度は増すのですが、逆にそのモチベーションが行動に直結するのでルールや縛りや人との関係があるほうが続きやすいのだなあと。それも過度にあればストレスなんですが(笑)

そこらへんを考えつつ、踏まえつつ、そして実践しつつ、というので結果を出している人はいると思います。一方で結果を出さないと何も出来ないのはまたおかしいので、まあどんな状況であれ打席に立ちつつ、やっていけばいいかなというところです。

全く3年が無駄ってことはなく(笑)

別にやってきたことが間違っていたとか後悔してるとかはないです。むしろどうやっていけばいいかなという感じでやってきました。

例えば宣伝出来ることは当然嬉しいわけです。怒る人はいない。ただ効果があるかというとあります!みたいなのもさすがに(笑)でも、数アクセス増やしたところで何があるかということなんですよね。一方で数アクセスも増やせるのがすごいという見方もできる。ここも価値観次第ですよね。

それなら直接の価値は大橋のバリューを提供しつつ、そこから当サービスのポテンシャルを感じてもらいながら、さらには何か仕掛けていくことが出来ればというのがいいわけですよね。

最近だと、開発会議みたいなものは面白いと思いつつ、どこまで貢献できるかが分からないというのもあります。ちゃんと使ってないのでそこはあかんのですけどね。経営者は孤独だとかいいますけど、結果的に個人開発=プロジェクトオーナーであり、オーナーは常に孤独という感じです。オーナー同士でないと分からないことも多いからですね。インタビューコンテンツもあったりで今ある中で最も自分のアイデアが可視化されていていいなあと感じるサービスです。(さすがにここまでいって使わないと怒られるので使います(笑))

良い意味で徒党や集団やチームを作りそこから旗を掲げて大きなことというよりも、その個人やチームの社会感を投げかけていく。こういう活動やプロジェクトって今後もっと大事になっていくはずです。だからこそチームビルドサービスがなぜか突然生まれたりしているのかなと。そのサービス継続如何は不明ですが、そういう場があるのはプラスなのかなって感じですね。

数アクセスを得ることは表面的なバリューかもしれないですが、本質的なそれではないなと。であれば本質的なことを深めたりそこを提示しないと話が始まらないなと。そこに気づけたのが良かったなというところです。多くはここに気づく前に表面や数値的なことで意欲がそがれて終わるんですよね。それも仕方がない面もありますけどね。

本質的な価値とは何かというと、人をつなぐでもいいし、リサーチしたり成功確率をあげるみたいなうざくない前傾姿勢だったりですかね。コミュニケーション苦手とかしたくない人の気持ちも分からないですが、仮にノンコミュニケーションであれば出来る人が仲間にいないと社会的にはきついわけですしね。それを今まで試したけどそこまでもないかなと思ってましたが、多分見せ方なり、やり方の話で、その本質自体は変わらないなと。変わらなかったというのが3年間の振り返りで最もな価値といえます。

つまり、サービスリリース直後では、宣伝したい人がいるニーズがあったし今もそうでしょう。ただそれは「宣伝出来る」という枠があるからそうしているだけともいえる。実際は宣伝の前後、上下左右に色々なニーズがある。これをやってほしい、やれないから不安だ、そんな考え方あるのかなどなど。そういうのが見えなかったというよりも、見ようとしなかったといっていい。またはそれをサービスの運営で「宣伝ニーズがある」だけでまとめてしまったのが良くなかったと言えます。

つまり、MVPとして戻れるならば、個人開発者にまず話をヒアリングしていってどういうことしてますか、どんな感じでやってますか。ところで、続けていくプランはありますか、どんな絵を描いてますかなどで検証した上で最適なものを出せたのかもと。つまりは宣伝をしたいよりも解像度が高い、リリース直後の不安やトラクションの獲得をフォローするとか、最もやるべきことにフォーカスが当たってない(開発優先になっちゃうとか)とかですよね。

でもですね、解像度が高い、つまり個人開発者について理解したり、記事を読んだりってこういうサービスやってないとまずしないんじゃないかなと。もちろん個人開発者自体が読んでるのはあると思います。僕自身はそこまで熱心な個人開発者ではないはずですから。そこをプランナー、マーケター視点でおぎなって、つまりはサービスをきっかけにそこから学んで、業界?の知見なりノウハウを得たとも言えます。そうだからこそ解像度が前よりは高くなったはずで、だからこそ上下左右とかいえていて、全く成長してないなら「宣伝ニーズが」で終わってたんですよね。

そうなると、めっちゃ良かったじゃんとなります。さてこれからどう展開していくか。踏ん張りつつ楽しんでいきたいと思います。

ぜひ何か支援してとか、どういうことやれるのかみたいなご相談があればお問い合わせからお気軽にどうぞ!

編集者 大橋 弘宜